振興製作所の歴史

「人間と機械の調和」の歴史

【メカトロテックの新興製作所】の歩みと製品開発の歴史をご紹介します。

1930

1937年(昭和12年)

卓越した創造性と先見性を持った谷村貞治(初代社長)が東京蒲田に新興製作所を設立。

創業者谷村貞治

クラインシュミット形鍵盤さん孔機(モールス符号自動送信機)等の電信機製造開始。

クラインシュミット形鍵盤さん孔機
1940

1940年(昭和15年)

逓信省の要請を受け
公衆電報用テープ式印刷電信機を研究。

1945年(昭和20年)

本社工場を岩手県花巻市に移転。
カナ文字印刷電信機の製造開始。
公衆電報用テープ式印刷電信機及び関連機器を開発。

1950

1950年(昭和25年)

世界初のカナ/英文字併用テレプリンタ『和欧文3段シフト頁式印刷電信機』(テレプリンタ)を開発。専用電信網発展の端緒を開く。
テレプリンタの専門オペレーター人材育成のため谷村学院(現花巻東高等学校)を設立。

和欧文3段シフト貢式印刷電信機
(テレプリンタ)
谷村学園
授業風景

1953年(昭和28年)…NHKテレビ放送開始

漢字印刷電信機を研究。電信機分野における我が国初の保守サービス会社(現新興サービス株式会社)を設立。
電報機械化中継機を開発。

1955年(昭和30年)

我が国初の漢字テレプリンタ(漢字鍵盤さん孔機及び漢字印刷翻訳機)を朝日新聞社と共同開発。
新聞界における報道機械化の先駆けとして大きく貢献。

SCK-201形漢字鍵盤さん孔機

1956年(昭和31年)

タイ国向けテレプリンタを開発、我が国初の輸出に成功。日本電信公社向け加入電信宅内装置(テレックス)を開発。

加入電信宅内装置
(テレックス)

1957年(昭和32年)…日銀100円硬貨、5000円札発行

社名を『谷村株式会社新興製作所』とする。
電子計算機連動用のさん孔タイプライターを完成。

1958年(昭和33年)…東京タワー完成

オペレータの操作性が格段に向上した万能さん孔タイプライターST-101(ゼネタパー)を開発。

1960

1964年(昭和39年)…東京オリンピック開催

国際電信電話株式会社向け国際テレックスを開発。

国際テレックス

1966年(昭和41年)

郵便局用貯金窓口会計機を開発。コンピュータ入出力データプリンタS100納入開始。

S100データプリンタ

1967年(昭和42年)…3C時代到来(カラーTV、クーラー、カー)

コンピュートタイパ(演算機能付きタイプライター)を開発。コンピュータ連動帳票作成データプリンタ
PTS-1000量産開始。

PTS-1000
データプリンタ

1969年(昭和44年)…アポロ11号月面着陸

花巻新工場完成。データ伝送用データプリンタ
PTS-1200を開発。

1970

1970年(昭和45年)…大阪万国博覧会が開幕

テレックス宅内装置生産システムに対して大河内記念生産賞を受賞。
オンラインデータターミナルSKS-200Eを開発。

SKS200

1973年(昭和48年)…第一次オイルショック発生

電子式家畜セリシステムYAC-701を開発。

YAC家畜セリシステム

1974年(昭和49年)

4096文字母型活字収容漢字テレプリンタSC-4000を開発、明治生命全国拠点に納入。

SC4000
漢字テレプリンタ

1975年(昭和50年)

警視庁向けパーキング・メーターを開発。
ひまわり型タイプパレット式高速電子プリンタ(ヘリアンタス)完成。同開発により機械振興協会賞を受賞。

ヘリアンタス

1977年(昭和52年)

農協、漁協用小型オフィスコンピュータ
SHINCOM7/8を開発。運輸省車検登録業務プリンタ
DT-PR60Aを開発。

SHINCOM7/8

1978年(昭和53年)…成田国際空港開港

DT-302/303データ宅内装置完成。
SWPM-50/100漢字ドットプリンタを開発。

DT-302
データ宅内装置
1980

1980年(昭和55年)

デージーホイール形プリンタを開発。
オフィスコンピュータSCT-801を開発。

SCT-801

1982年(昭和57年)

社名を『株式会社新興製作所』とする。

銀行向けオンラインテラーズ端末S1630、ディスプレイ付テレックスSKS2001を開発。

1983年(昭和58年)

銀行向け通帳プリンタS1640、
ATM用通帳プリンタM4250を開発。
医療端末機DT-KPR60Cを開発。

S1640通帳プリンタ

1986年(昭和61年)

家畜市場向けワイヤレス電子セリシステム、データ宅内装置を開発。

YAC-701

1987年(昭和62年)

ファックス網制御装置TC1200、汎用高速ドットプリンタを開発。
領収書付パーキング・メーターPM54/55、MICRエンコーダS8650を開発。

パーキング・メーター

1988年(昭和63年)…青函トンネル開通、瀬戸大橋完成

金融窓口端末機S1000、航空券発行機S2490を開発。
1000円紙幣対応台間玉貸機、紙幣搬送機を開発。

台間玉貸機
1990

1992年(平成4年)

カルラーカードリーダーライターM9900を開発。

カルラーカード
リーダーライター

1993年(平成5年)…皇太子殿下と雅子様ご成婚

高速電子写真式連続紙LEDプリンタ、高性能折り装置
S8590、POSシステムを開発。

連続紙
LEDプリンタ

1994年(平成6年)…純国産大型ロケットH2打ち上げ成功

ISO9002認証を取得。
花き機械セリシステムYAC2000、
キングサンドKS8を開発。

花きセリシステム

1995年(平成7年)…阪神淡路大地震発生

伝票プリンタM4691、L-MICRエンコーダS8655を開発。

1996年(平成8年)

金融窓口端末機S1100、
パーキング・チケット発給機PT50を開発。

金融窓口端末
S1100

1997年(平成9年)

振替窓口端末機S8880を開発。

1998年(平成10年)…長野冬季オリンピック開催

ISO9001(1994年版)認証を取得。
大型紙幣両替機M8790を開発。

1999年(平成11年)

トラベラーズチェック発行機TCH、簡易局用金融窓口端末機S8830を開発。
メダルサンドKSM10、ミスター搬送機M8850を開発。

トラベラーズ
チェック発行機
紙幣搬送機
2000

2000年(平成12年)

テラー通帳プリンタS4670(e-Printer)、パーキング・メーターPM101、メダルサンドKSM11を開発。

テラー通帳プリンタ
(e-Printer)

2001年(平成13年)

連続紙高速レーザープリンタS7118を納入開始。
花き機械セリシステムYAC2010、
キングサンドKS-S6を開発。

4券種自動紙幣金庫

2002年(平成14年)…田中耕一氏ノーベル化学賞受賞

ISO9001(2000年版)認証を取得。
4券種自動紙幣金庫M8788、大型リサイクル両替機
M8792、クリーンマスター他補給システム機器を開発。通帳記帳機S4680を開発。

大型リサイクル両替機

2004年(平成16年)

かよい帖記帳機S4685を開発。
新型玉計数機M8618、KS-SEサンド、新型家畜セリシステムYAC810を開発。

玉計数機

2005年(平成17年)

新型POS端末機NPOS、
レシート発券機POSVN-6を開発。

レシート発券機

2006年(平成18年)

ISO14001認証を取得。
『脳血管異常診断装置』を岩手医大・岩手大学と共同研究開発。

ISO14001

2007年(平成19年)

当社特許『通帳めくり装置』が発明協会長奨励賞を受賞。
新本社・工場が花巻市大畑(花巻第一工業団地内)に完成し移転。歩行リハビリ用知能装具』を早稲田大学と共同研究開発。
新型紙幣搬送機及びS7スタッカ(自動紙幣金庫)開発。配送業務管理システムDMS21を開発。
車載プリンタS2430を開発。

新本社・工場

2008年(平成20年)

昇華型アルバムプリンタをPMA2008及び
Photokina2008で発表。
ワイドフォーマットUVプリンタを
Drupa2008で発表。
当社製『機械式通信機器群』が日本機械学会の『機械遺産』に認定される。
通帳プリンタS4672(e-Printer)を開発。

昇華型アルバムプリンタ
UV硬化ワイドフォーマットプリンタ

2009年(平成21年)

パーキング・チケット発給機PT60を開発。
S7曲線紙幣搬送機及び
縦型玉計数機SBC110を開発。
設計・製造ソリューション展(東京ビッグサイト)に出展。
ISO9001(2008年版)認証を取得。

PT60
ISO9001

2010年(平成22年)

薬事法に則り『医療機器製造業』の認証取得
(許可番号:03BZ200008)
医療機器 開発・製造技術EXPO(東京ビッグサイト)に出展。

医療認証

2011年(平成23年)

薬事法に則り『第二種医療機器製造販売業』の認証取得(許可番号:03B2X10001)
独社と提携、ATM用通帳プリンタを本格的に供給開始。
車載プリンタS2430 マイナーチェンジ開発。

S4810

2012年(平成24年)

課金型EV普通充電スタンド『コイン パ・チャ・ポ』を開発。
『医療用酸素濃縮装置』を開発し、岩手県初の在宅医療機器の製造販売認証取得。
『動物用医療機器製造業』の業許可取得。

酸素濃縮装置

2016年(平成28年)

通帳記帳機S4880を開発。
『高度管理医療機器 販売・貸与業』の業許可取得。

S4880

2017年(平成29年)

読書おもいで帳システム開発。
ISO9001(2015年版)認証を取得。

読書おもいで帳
システム

2018年(平成30年)

ISO14001(2015年版)認証を取得。
簡易版図書館向け記帳システムRBR100を開発。
パーキング・チケット発給設備PT70を開発。
集合搬送・事務所搬送システムM9220を開発。
『医療機器修理業』の業許可取得。

2019年(令和元年)

枝肉セリシステム用応札機YACTHI01を開発。
医療用酸素濃縮装置(5L器)を受託開発。

2020年(令和2年)

車載プリンタ用AC-DC変換器S2430-PSを開発。
除菌水マルチディスペンサ(freezia:フリージア)SAF2を開発。

2021年(令和3年)

動物用酸素濃縮装置を受託開発。

2022年(令和4年)

香料噴霧器(エアフレッシュナー)SAF101を開発。

2023年(令和5年)

単体補給ユニットSCMR202を開発。
簡易版図書館向け記帳システムⅡ(スケルトンモデル)を開発。
動物用酸素濃縮装置(病院向け)を受託開発。
通帳発行装置S4881を開発。
通帳記帳機S4880のCEマーク適合対応。

機械遺産

日本が誇る歴史的な機械技術を保存して、文化的な遺産として次世代に受け継ぐことを目的として、社団法人日本機械学会は当社の『機械式通信機器群』を2008年度『機械遺産』(Mechanical Engineering Heritage)に認定しました。

【機械遺産第29号】
これは、東北電力様の発電所設備関連と並び東北では初の機械遺産認定であり、国内産業の発展に寄与した機械技術として歴史的価値が認められたものです。
認定されたのは、当社1947年製の「クラインシュミット形鍵盤さん孔機」を始め、昭和20年~40年代に使われた「和欧文3段シフト頁式印刷電信機(テレプリンタ)」、「加入電信宅内装置(テレックス)」などです。
これらは現代のようなパソコンやメモリー、IC等の電子技術がない戦後の時代において紙テープを記憶媒体として確実な文字伝送することを目的に開発された機械式による通信機器であり、当時の情報端末として事務の機械化に大きく貢献し、我が国のメッセージ通信及びその後の真空管式電子計算機と連動してのデータ通信の先がけとなったものです。

【機械遺産に認定された通信機器群】

当社は機械遺産の歴史的価値を改めて真摯に受け止め保存に努めるとともに、今後とも社会に役立つ製品づくりに全力で取り組んでまいります。

日本機械学会の『機械遺産コーナー』 関連記事:『産業機械』2010.8・・・機械遺産を巡る旅

また、新興製作所が開発した漢字カナ混じり文の漢字テレプリンタ『SCK-201形漢字鍵盤さん孔機』が、2010年3月社団法人情報処理学会から『情報処理技術遺産』に認定されました。これは東北初であり、2008年の機械遺産に続く快挙です。